10年共にした我が家のソファをさようならしました。
ソファとの思い出は10年前に遡り、結婚前に初めて二人で暮らす新居にと大型のソファーを当時彼氏だった旦那と見に行った。
「このソファにしようか」私が選んだのは4万円代の二人掛けのソファ。
予算は4万円だった。だけど本当は隣にあった5万円代の3人がけのソファが欲しかった。
「・・・こっちのじゃ予算的にやっぱり厳しい?」恐る恐る彼が私に聞いてくる。
「・・・私も本当はこっちの方が良いと思っていた」「じゃあ他を見直してこのソファにしよう!」
あの時予算より1万円以上もオーバーして購入したソファはあの日から10年我が家で毎日活躍してくれた。
10年目に差し掛かった去年の夏、私がいつも座っているクッション部分のスプリングがバカになった。
不思議なもので一箇所壊れ始めたら途端に伝染して旦那さんが座っている部分のスプリングもおかしくなった。
誤魔化しながら座っていたけれど、日を追うごとに座り心地は悪くなり気になってくる。
ついにさようならをする決断を下した。
だけどさようならするには、代わりとなる新しいソファを見つけなければならない。
同じソファはもう販売しておらず、新しいソファを見つけるまでに2ヶ月がかかった。
購入の目処がたち、ついに10年共にしたソファとさようならをしなければならない。
廃品回収かな・・・・
粗大ゴミかな・・・・
丁寧に寸法を測り、まずは廃品回収の業者へ電話。3社かけどこも回収は2万円程かかると言われた。
その後粗大ゴミの収集センターへ電話をする。
ソファの情報を丁寧に伝えると2000円なのでコンビニで2000円分の粗大ゴミシールを買ってくださいね、と。
安い。廃品回収の10分の1ではないか。粗大ゴミ回収とはこんなに安いものなのかと有り難く思った。
その後コンビニにシールを買いに行き、旦那さんとペタペタとシールを貼り付けた。
二人であくせくしながらソファを集積場所まで運び、最後にソファに座ってそれぞれ写真を撮った。
「10年間ありがとう」
次の日の回収を見届けたいと朝から30分置きに集積場を覗くもソファはお昼を過ぎても鎮座したまま。
もう諦め夕方家を出ると青いトラックがやってくる。
「ぁあ、回収に来たんだ」ソファから離れ少し遠くの道の端っこで回収を見届ける。
作業員の男性二人がひょいとトラックに積み込むと、そそくさとソファは行ってしまった。
急いで携帯を取り出し遠くなるそふぁをカメラに納め小さく手を振った。
こんなにも粗大ゴミの回収に思いを馳せ、遠くなるトラックを見つめることはきっとこの先もないだろう。