躊躇するのは最初だけ


夫、「これ捨てるよ」
私、「ダメよ、まだ使えるから」
夫、「これは?」
私、「それは捨てて良いわよ」
夫、「だったら、これは?」
私、「それはダメよ!」
夫、「捨てて良いのと捨ててダメな基準は何?」
私、「思い出よ」
ゴミの分別で疲れたのだが中々眠れない、なぜなら、捨てて良いと言ってしまったモノの中に、捨ててはいけないモノが入っていたかもしれないと思ってしまったから。
私、「ちょっと見て来る」
夫、「朝にしなよ」
思い出があるモノを捨ててしまう不安から、朝まで待てなかった。
思い出が無いと思ったモノでも、捨ててしまうには惜しいため、残しておこう。

夫、「捨てないの?」
私、「うん」
夫、「なにも捨てないの?」
私、「うん」
夫、「捨てないとゴミ屋敷になっちゃうよ」
私、「そんなこと言われなくても分かっている」
夫、「・・・」
夫は私のことを困った目で見ていたのだが、ゴミって何よ!
今まで家族のために働いてくれていたのに、使わなくなったらゴミになっちゃうの!
人間だって老いて働けなくなったら、ゴミ扱いをされるようになるの!
夫とケンカした私は友達の家に行くと、家の中がメッチャ広くなっていた。
私、「リフォームをしたの?」
友達、「リフォームなんてしてないわよ、不要な粗大ごみを処分しただけよ」
私、「それだけ?」
友達、「それだけ」
私、「処分した粗大ごみって、どれくらいあったの?」
友達、「トラック1台分」
私、「処分をするのに寂しくなかった?」
友達、「寂しかったわよ、思い出のあるモノを処分するのだから。でも、トラック1台分の広さが出来たら、そこに新たな思い出が作れると思い、前向きにもなれた」
私も友達を見習い、使わなくなったモノを処分すると、代わりに夫が新しいものを買ってくれた。
それに味を覚えた私は、次から次に使わなくなったモノを処分すると、必要なモノまで処分してしまい、夫にメッチャ叱られた。


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